エクイティファイナンス(株式による資金調達)— 投資家との関係
エクイティファイナンス(=株式を発行して資金を調達する方法)は返済義務がないが、代わりに会社の持分を手放すことになる。本章では投資家との関係を扱う。
この章で学ぶこと
- 株式と希薄化(ダイリューション=新株発行によって既存株主の持分が薄まること)
- エンジェル投資家とベンチャーキャピタル(エンジェル=個人投資家、ベンチャーキャピタル=投資に特化したファンド会社)
- 資本政策(誰に・いつ・何株渡すかを、将来を見越して設計すること)
- 投資家が見る指標(市場規模・成長率・チーム・トラクションなど)
株式と希薄化(ダイリューション)
新株発行のたびに既存株主の持分比率が薄まる。これを希薄化(ダイリューション)と呼ぶ。創業者はラウンドごとに自分の持分が何パーセントになるかを把握しておく必要がある。希薄化は「負債を負わずに資金を得るコスト」と捉えられる。
投資家の種類
エンジェル投資家は個人資金でアーリーステージ(=創業初期段階)の企業を支援する個人投資家である。ベンチャーキャピタル(VC)は高成長企業への投資に特化したファンド会社である。種類によって出資規模・関与度・期待するリターンが異なる。
資本政策
資本政策とは、誰に・いつ・何株を渡すかを将来を見越して設計することである。ずさんな設計は次のラウンドやイグジット(=売却・上場によって投資を回収すること)を困難にする。ストックオプションプール(=将来の株式付与に備えて確保しておく持分枠)を早期に確保しておくことで、採用時の株式付与に備えられる。
投資家が見る指標
市場規模と成長率は機会の上限を示すシグナルとなる。チームの質とトラクション(=需要の初期証拠)が投資確信を形成する。投資家はアイデアそのものと、それを実行する人の両方に賭けている。
まとめ
エクイティファイナンスは「タダの資金」ではなく、所有権との交換である。初日から資本政策を意図的に設計せよ。
関連ノート
- An Introduction to Finance — Fundraising and Business Planning
- Chapter 1: What Is Finance? — Seeing a Business Through Its Flow of Money
- Chapter 2: Reading the Three Financial Statements — The Income Statement, Balance Sheet and Cash Flow Statement
- Chapter 3: An Introduction to Financial Modelling — Building Up Revenue, Costs and Profit
- Chapter 4: Cash Flow Management and Working Capital — Profit and Cash Are Not the Same Thing
- Chapter 5: An Overview of Fundraising — Where to Raise Your Money