財務モデリング入門:売上・コスト・利益の積み上げ
財務モデリング(=売上・コスト・利益を数式でつなぎ、将来を数字で表す手法)は、事業計画を「願望」から「検証可能な数値」に変える。本章ではモデルを構成する基本要素を扱う。
この章で学ぶこと
- 売上の積み上げ方(単価 × 販売数量に分解し、根拠を明確にする)
- 変動費と固定費(売上に連動して増減するコストと、売上に関わらず発生するコストの違い)
- 営業利益と貢献利益(貢献利益=売上 − 変動費で、固定費を回収するための原資となる)
- 成長カーブの設計(現実的な成長率を想定し、数値で明示する)
売上の構造化
売上は「単価 × 販売数量」に分解して積み上げる。単位経済性(ユニットエコノミクス = 商品・サービス1単位あたりの採算構造)に基づくことで、根拠が明確な検証可能な数値になる。
コストの分類
コストは2種類に分かれる。変動費(=売上に連動して増減するコスト)は事業活動の水準に応じて増減し、固定費(=売上に関わらず発生するコスト)は売上が低くても発生し続ける。
貢献利益と営業利益
貢献利益(コントリビューションマージン)=売上 − 変動費である。これは固定費を回収するための原資を示す指標であり、貢献利益から固定費を差し引いた残りが営業利益となる。
成長カーブの設計
モデルは楽観的でなく現実的な成長率を想定すべきであり、その成長率は数値として明示することで、他者が検証・反証できる形にする。
まとめ
モデルの信頼性は前提の質で決まる。すべてのドライバー(=結果を左右する変数)を明示し、反証できる形にせよ。
関連ノート
- An Introduction to Finance — Fundraising and Business Planning
- Chapter 1: What Is Finance? — Seeing a Business Through Its Flow of Money
- Chapter 2: Reading the Three Financial Statements — The Income Statement, Balance Sheet and Cash Flow Statement
- Chapter 4: Cash Flow Management and Working Capital — Profit and Cash Are Not the Same Thing
- Chapter 5: An Overview of Fundraising — Where to Raise Your Money
- Chapter 6: Debt Financing — The Practicalities of Loans