AI検索評価指標 ⑥ TLD分布 — 引用ドメインの種別構成
TLD分布(TLD=トップレベルドメイン。URLの末尾部分、.go.jpや.comなど)とは、AIエンジンの引用を種別ごとの割合に分解し、どのエンジンが信頼性の高い情報源に依拠しているかを可視化する指標である。
何を測るか
対象クエリセット全体の引用件数をTLD別に集計し、各割合を算出する。⑤「日本語ドメイン比率」が単一の集計値であるのに対し、⑥は構成比(円グラフ・積み上げ棒グラフ)として表現する点が異なる。最低限の分類は、.go.jp/.ac.jp/.co.jp/.jp(その他)/.gov/.edu/.org/.com/その他である。
なぜ重要か
TLDには、gov>edu>co>com>不明という暗黙の信頼性ヒエラルキーが存在する。Conductor(2024)は、TLDヒエラルキーがAI検索における権威シグナル(Authority Signal=情報源の権威性を示す手がかり)の筆頭であると報告している。たとえばChatGPT Search(.go.jp 22%)とCopilot(.go.jp 8%、.com 65%)を比較すると、エンジンごとの信頼構造の差が一目で分かる。
計算式
TLD_share(t)は、TLD tの引用件数を総引用件数で割って算出する。エンジン別に集計したうえで、エンジン × 検索意図 × TLDのクロス集計でビジュアライズする。
ai-searchプロジェクトでの位置づけ
対象は全600問であり、積み上げ棒グラフで可視化する。この指標は構成概念C2「情報源信頼性バイアス」の構造的側面を担い、⑤日本語ドメイン比率と組み合わせて解釈するのが原則である。
TLD分布は、単一の信頼スコアでは見えないエンジンの引用先構成を分解し、権威ある情報源への依拠度を直接比較可能にする指標である。
関連ノート
- AI Search Evaluation: The 12 Metrics — Gateway
- AI Search Evaluation ①Citation Rate — How Many URLs Are Pulled In Per Answer
- AI Search Evaluation ②Source Diversity — How Unskewed the Cited Sources Are
- AI Search Evaluation ③Accuracy Score — How Often It Answers Factual Questions Correctly
- AI Search Evaluation ④Answer Length — How Many Characters It Returns to the User on Average
- AI Search Evaluation ⑤Japanese Domain Ratio — How Often It Pulls In .jp-Family Domains