browser-to-api —— CDP トレースから OpenAPI スペックを自動生成する Browserbase のスキル
browser-to-api は、任意の Web サイトをドキュメント付き API に変換する Browserbase(=ブラウザ自動化プラットフォーム)の公式エージェントスキルである。自分ではクロールも通信キャプチャも行わない。browser-traceが記録した通信ログをオフラインで後処理するだけであり、CDP(Chrome DevTools Protocol=ブラウザの内部通信を取得する規格)のリクエスト/レスポンスをペアリングし、観測された URL をテンプレート化し、レスポンスのサンプルから JSON スキーマを推論し、OpenAPI 3.1 スペックとカバレッジレポート、すぐ使えるクライアントを出力する。browser-trace(キャプチャ)→browser-to-api(合成)という2スキル構成で使う。Codex(=OpenAI のコーディングエージェント)が単一プロンプトから OpenTable のドキュメント付き API クライアントをワンショットで生成した手法がこれである。
きっかけは、Browserbase のエンジニアである @derekmeegan による 2026-05-14 の投稿である。「/browser-to-api が任意のサイトを API に変える —— Codex が単一プロンプトから OpenTable の API クライアントをワンショットで生成した」という内容で、71.1万回の閲覧を集めた。
何をするスキルか
ドキュメントの存在しない非公式 Web API に対して、ブラウザ操作の記録から逆算して OpenAPI スペックの草案を作るエージェントスキルである。Browserbase の公式スキル集browserbase/skillsの一つであり、Claude Code・Codex・Cursor などのコーディングエージェントから呼び出せる。
重要な前提として、このスキル自体は通信を一切キャプチャしない。browser-traceが記録した CDP のネットワークログを純粋にオフラインで後処理するだけである。だからこそ安全に実行できる——実行しても副作用がなく、決定論的(=同じ入力なら常に同じ結果になる)だからである。
2スキル構成のパイプライン
- browser-trace(キャプチャ)—— ブラウザ自動化の実行中に、DevTools プロトコルの全通信(CDP のログ・スクリーンショット・DOM ダンプ)を記録する。出力先は
.o11y/<run>/cdp/network/{requests,responses}.jsonlである。 - browser-to-api(合成)—— 上記の jsonl を読み込み、CDP のリクエスト/レスポンスイベントをペアリングし、観測された URL をテンプレート化し(動的な部分を変数化する。例:
/users/123→/users/{id})、サンプルから JSON スキーマを推論し、OpenAPI 3.1 ドキュメントと人間が読めるカバレッジレポートを出力する。
出力物
.o11y/<run>/api-spec/index.html—— ドキュメントopenapi.yaml—— OpenAPI 3.1 スペック本体client.mjs—— すぐに呼び出せるクライアントモジュール
使いどころ
- サードパーティ製あるいはドキュメントが存在しない Web API について、きちんとした OpenAPI スペックが欲しい場合
- 既存のブラウザ自動化の記録からエンドポイントとスキーマを抽出したい場合
- スペックを公開していないサイトに対してクライアント/SDK を作りたい場合
導入と呼び出し方
npx skills add browserbase/skillsでインストールする。Claude Code では/pluginでマーケットプレイスを追加し、browseプラグインを導入したうえで自然言語で依頼する。エージェントの文脈では/browser-to-apiのようにスキルを直接呼び出す。
近縁・類似のツール
- AndrewWalsh/openapi-devtools —— 任意のアプリやサイトの API スペックを生成するブラウザ拡張。同じ発想を手動・ローカル形式で先行実現した近い事例。
- Browserbase Stagehand —— OpenAPI スペックや SDK を生成する機能を持つ。Browserbase 内の関連系統。
- browse.sh —— Browserbase が公開する「ブラウザスキルのカタログ」。browser-to-api はこのエコシステムの一部である。
所感
「サイトを API に変える」という発想自体は目新しくなく、openapi-devtools などが既に実現していた。しかし設計は堅実であり、エージェントスキルとして合成処理をオフライン・決定論的に完結させ、browser-trace と作業を分担している。副作用のあるキャプチャと副作用のない合成を分離することで、後処理を何度でも安全に再実行できる。GEO(=AI検索最適化)やスクレイピング(=サイトから機械的にデータを収集すること)の文脈でも、対象サイトの API 構造を素早く把握する偵察ツールとして有効に機能する。
出典・参考
- browser-to-api —— browserbase/skills(skills.sh) —— サイト(Browserbase 公式のスキルカタログ)
- browserbase/skills(GitHub) —— リポジトリ(Browserbase 公式)
- Skills —— Browserbase Documentation —— ドキュメント(Browserbase)
- @derekmeegan の投稿(2026-05-14) —— 投稿(Derek Meegan / Browserbase)。本ノートのきっかけ
- AndrewWalsh/openapi-devtools(GitHub) —— リポジトリ(類似の先行事例)
- browse.sh, a catalog of browser skills | Browserbase —— ブログ(Browserbase)
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