Claude Code で美しい UI/UX を引き出すワークフロー
このtilリポジトリを雑に組み立てたあと、考え直して2026年5月時点のエコシステムを調査し、この推奨ワークフローを整理した。
1. 仕様固め(言葉で先に決める)
- 参照したいサイト3〜5件(例:「Stripeのドキュメントのような感じ」)
- 避けたいサイト1〜2件(例:「こうはしたくない」)
- 形容詞3語(例:「真面目・等幅・落ち着いた」「ブルータリズム(=コンクリート打ちっ放しのような無骨な建築様式に着想を得たデザイン潮流)」「レトロフューチャー」など)
- 想定する読者と使用デバイス
- Anthropic(アンソロピック)公式のFrontend Aesthetics CookbookをCLAUDE.mdに取り込み、「AIっぽさ」を避けるルール(Inter・Robotoなどの既定フォント禁止、紫のグラデーション禁止、過剰な影の禁止など)を最初から効かせる
- 公式の
frontend-designスキルを有効化すると、CLAUDE.mdを基点にデザイン哲学が自動で注入される
ここを先に固めることで、Claudeが推測しなければならない範囲が大きく狭まる。
2. 探索(3案を並列に出す)
claude --worktree(=独立した作業ブランチを複数同時に持つ機能)で3〜5個の独立したセッションを立ち上げ、worktree(作業ツリー)ごとに異なる方向性のデザインを並列に実装する
UI生成のためのMCP(Model Context Protocol=AIエージェントが外部ツールを呼び出すための標準規格)の選び方は次のとおりである。
- shadcnの公式MCP —— 複数のレジストリ(部品の配布元)からコンポーネントを導入するデファクトスタンダード(=事実上の標準)である。
- 21st.dev Magic MCP —— 1つのプロンプトから複数のバリエーションを一括生成し、比較して選ぶスタイルは並列案の検討に向く。
- v0 MCP —— 画像からReactコードへの変換が必要な場合に使う。
1案を磨き込むよりも、3案作って2案を捨てる方が正解にたどり着くのが速い。
3. ローカルプレビューと自己検証ループ
bundle exec jekyll serveのようなコマンドでローカル起動する。- Playwright MCP(microsoft/playwright-mcp)を使い、Claude自身にナビゲート→スクリーンショット→コンソール確認→自己修正というループを回させる。
- 用途で使い分ける。Playwright MCPはCI(=継続的インテグレーション。コード変更のたびに自動でビルド・テストする仕組み)/テスト用途、Chrome DevTools MCPはデバッグ・パフォーマンス計測用途。2026年時点では両方の併用が標準である。
- push(=変更をリポジトリへ送信すること)してから直す一往復は遅い。kramdownのバグのような描画上の不具合は、事前にローカルで洗い出しておく。
4. イテレーション(見てから言葉で直す)
- スクリーンショットをClaudeに渡す→不満を1文で伝える→CSS/マークアップを修正する→再度スクリーンショットを撮る。
- これを3〜5回繰り返す。
- Figma(フィグマ)を使う場合は、公式のFigma Dev Mode MCPのCode to Canvas機能で双方向の同期ができ、デザイナーのレビューに差し戻せる。
5. 品質ゲート(pushの前に)
- Design Reviewサブエージェント(=独立した文脈で動くレビュー専用のAI)を立てる。Playwrightでキャプチャし、WCAG 2.1 AA(後述)とヒューリスティック(=経験則に基づく簡便な判断法)による自動監査を行い、修正案を得る。
- PRレベル(=1回の変更提案単位)のスクリーンショット差分にはArgos、意味的な差分(3pxのズレが実際に問題かどうかの判断)にはApplitools Visual AIを使う。
/grill(=コードの視覚版にあたる厳格レビューコマンド)の視覚版として最後に実行する。
6. Storybook / カタログ(デザインシステムを持つ場合のみ)
@storybook/addon-mcpは、コンポーネントやストーリー(=コンポーネントの見本表示)をMCP経由でAIに公開する。- TSのprops(=コンポーネントへ渡す設定値)からargTypesへのマッピングを通じてCSF3形式のストーリーを自動生成する。
- tilのような一発物のリポジトリには不要で、デザインシステムを保有する本格的なプロジェクト向けである。
7. 失敗パターン
- 「いい感じにして」と丸投げする→参照の質次第の運任せになる。
- pushした後にしか見ない→描画上の不具合に気づくのが遅れる。
- 1案のみで進める→比較対象がなく、許容できる線がどこかを判断できない。
- 仕様固めの段階でAnthropic公式のcookbookを無視する→紫のグラデーション・Inter・絵文字の氾濫という典型的なAI出力に逆戻りする。
- 視覚系のMCPを使わず「コードだけ」でレビューする→描画上の不具合を見逃す。
出典・参考
- Frontend Aesthetics Cookbook —— 公式ドキュメント、Anthropic
- shadcn/ui MCP —— 公式ドキュメント、shadcn
- 21st.dev Magic MCP —— サイト、21st.dev
- v0 by Vercel —— サイト、Vercel
- Playwright MCP —— OSSリポジトリ、Microsoft
- Chrome DevTools MCP —— OSSリポジトリ、Chrome DevTools
- Figma Dev Mode MCP —— 公式ドキュメント、Figma
- WCAG 2.1 AA —— 仕様、W3C
- Argos —— サイト、Argos CI
- Applitools Visual AI —— サイト、Applitools
- Storybook addon-mcp —— 公式ドキュメント、Storybook