オーケストレーター(上位制御プロセス)からClaude Codeを起動する
毎回手動でclaudeを起動していると、設定の陳腐化・役割の再決定の繰り返し・タスクキューの断絶が起きる。解決策は、外部のオーケストレーター(=いつ・どのようにセッションを起動するかを管理する上位の制御プロセス)から、子プロセスとしてClaude Codeを起動することにある。
エコシステムの主要ツール
obra/superpowersはスキルレジストリ(=再利用可能なエージェント向け技能の配布・管理基盤)であり、superpowers installを実行すると.claude/skills/ディレクトリが最新化される。claude-code-beansはプラグインパックで、スキル・フック・コマンドをひとまとめにして配布する。ECC(Everything Claude Code)は、経営業務と開発の両方を一つのClaude Code環境で賄うパラダイム(=考え方の枠組み)である。ハイフンテクノロジーズ(HT)が内製したpaperclipは、専門分業した9体のサブエージェントが一つのゴールへ収束する事例である。
起動レイヤーの構造
起動の流れは、スケジューラ(=時刻指定でジョブを実行する仕組み)またはcronから始まり、Notion Tasksデータベースを読むオーケストレーターを経て、claude --name id --add-dir repoを実行する。起動のたびにオーケストレーターはsuperpowers updateやbeans syncを実行し、.claude/ディレクトリを常に最新に保つ。このディレクトリには、スキル・エージェント・コマンド・フック・MCP(Model Context Protocol=AIモデルを外部のツールやデータに接続するための標準規格)の設定が揃った状態で起動時に読み込まれる。
セットアップの手順
.claude/はリポジトリごとにgitで版管理し、HT全社共通のルールは~/src/ht/CLAUDE.mdに置く。このファイルは階層的に自動読込される。スキルレジストリに登録してOSS(オープンソースソフトウェア)のスキルを取得し、独自スキルは.claude/skills/name/SKILL.mdとして作成する。特に重要なフックは4つあり、SessionStartはメモリファイルを読み込み、PostToolUseはPrettier(=コード整形ツール)を実行し、Stopは自動コミットを行い、PreCompactはコンテキスト圧縮の前にCLAUDE.mdを再注入する。MCPの設定は親ディレクトリの.mcp.jsonに集約し、各リポジトリはenabledMcpjsonServersで必要なものだけを有効化する。
避けるべきアンチパターン
.claude/を手動で更新すると陳腐化するため、更新はレジストリのインストールコマンド経由で行うべきである。全作業を単一セッションに詰め込むとメインコンテキストが汚染されるため、サブエージェントやgit worktree(=リポジトリの作業コピーを分離する仕組み)に切り出すべきである。オーケストレーターをClaude Code自体の内部に置くのは危険で、親プロセスが停止すると全体が止まってしまうため、外部に置くべきである。MCPをリポジトリごとに定義すると認証情報が散乱するため、親ディレクトリに集約すべきである。
Claude CodeはREPL(対話的にコマンドを実行するシェル)ではなく子プロセスとして扱う。.claude/を版管理し、レジストリでスキルを同期し、外部スケジューラがセッションを起動する設計が正解である。
出典・参考
- obra/superpowers — リポジトリ
- claude-code-beans — リポジトリ
- Claude Code documentation — 公式ドキュメント
- Hooks — 公式ドキュメント
- Memory (CLAUDE.md) — 公式ドキュメント
- Model Context Protocol — 公式サイト
関連ノート
- Browser Automation MCP 2026 — Comparing Playwright, chrome-devtools and agent-browser
- A tidy-up of the Claude Agents specifications
- "how does <filepath> work?" — Claude Code's placeholder prompt
- Claude Code's CLAUDE.md hierarchy — which instructions reach how far
- Does Claude Code's Spawn (parallel subagent launch) really run in parallel?
- Claude Mythos and Oceanus — the cutting edge and its "version for everyone"